お知らせ




心が締め付けられるような幕開けとなりました2024年。
被災されました方々が早く日常を取り戻す事ができますように。
明日にでもわが身に降りかかるかもしれない災害に対して、改めて気を引き締めて臨みます。
たいへんな時代ですが、引き続き、食卓が明るくなるようなワインを作っていきます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。



自社畑のモノ・セパージュシリーズが、新たなコンセプトのもと再出発します



植え付けから古い樹で20年以上の歳月を経た自社畑の欧州種。
世界の銘醸地に比べて温暖湿潤な日本の山梨で、世界共通品種でどこまでのものが作れるのか。日本の山梨の、私たちならではの味わいとはどんなものなのか。
それを知りたくて私たちは樹を植えました。

それから20年。幾度かの当たり年を経験する事ができたことはとても幸せでしたが、温暖化の影響は当初の想像をはるかに超え、豪雨や長雨によるブドウの裂果、高温による着色障害などが顕著となりました。質量ともに安定した地域を産地と呼ぶとすれば、それは確実に、標高と緯度の高い地域に移っています。現在自社畑では温暖化に対応しいくつかの別品種の栽培をスタートしています。これらの品種を用いて質・量ともにバランスのとれたワインを目指す事は経営的に理にかなっています。

しかし一方で私たちは、気候条件に恵まれさえすれば良いワインが作れるのか、そもそも良さとはどういうことなのかと、折に触れて考えるようになりました。そして、良さというものが喜びや幸福に関係づけて語られるのであれば、それはものの中に予め存在するのではなく、そのものを通じて開かれる喜び、生の肯定、感謝の気持ちに他ならないとの考えに至りました。良さとは追い求めて勝ち取るようなものではなく、与えられた環境や変化を受け入れることによって開かれる地平ではないかと。

そこで自社畑では、品質の良さで記録を目指すのではなく、この加速する温暖化の中で、一年ごとのブドウとワインの営みを忠実に記録していくことを、これからの目的とする事にしました。

もしも死の直前に、走馬灯のように過去の思い出が蘇るとしたら、それは、雨上がりのブドウの葉が陽に照らされて輝く光景、美味しそうに葉を食べるイモムシ、忙しく動き回るテントウムシ、そして一緒に収穫した仲間たちや、訪れてくれた人たちの笑顔がちりばめられた映像であろうと思います。一つ一つは何でもないシーンでも、辛く苦しい痛みの記憶の上にそっと積み重ねられていく色のように、生きる喜びを補給してくれた風景。 それらを写し取るように、毎年のワインを記録していきたいと思います。








旭洋酒ソレイユワインは山梨市の住宅街にひっそりと佇むスタッフ3人だけのワイナリーです。原料となるのは、1haに満たない自社畑と、ワイナリーから半径5km圏内の地元農家のブドウのみ。栽培醸造家であるオーナー夫婦が目の届く範囲で、信頼できる農家の手掛けたブドウだけを丁寧に醸造しています。自社畑では低肥料草生栽培でバランスのとれた樹勢を保ち、熟度によって収穫時期を分けるきめ細かい作業で、ワインに滋味を与える凝縮したブドウを収穫しています。

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