グルペット ブラン 2024

  • 3,410円(税310円)
山梨市牧丘町産ソーヴィニョン・ブラン98% アルバリーニョ/プティ・マンサン計2%
生産本数789本


山上直氏が標高650mの牧丘町西保下地区の垣根と800mの西保中地区の一文字短梢棚で栽培するグルペット農園のソーヴィニョン・ブラン主体。除梗せずホールバンチで圧搾し、ステンレスバレルで約2週間醗酵。終了後は直ちに満量にして酸素を遮断し、約4か月間定期的に攪拌しながら滓とともに貯蔵、滓引きから約2か月後にノンフィルターで生詰しました。

標高が高く峡東地域の中では冷涼で古くからの巨峰の産地である牧丘。その中でも上方に位置するグルペット農園のソーヴィニョン・ブランは房が小さく、結実の不安定さや成熟期の割れなどが年によっては大きな収量減につながる事もあり、平均的な収量は同農園のシャルドネの7割程度に止まっています。毎年収穫日には、園主の周到な段取りに従って点在する畑を廻り、皆でその小さな房を大切に大切に摘んでいきます。

2024年は前年に引き続き全国で猛暑日記録が更新されましたが、23年が収穫期まで高温乾燥だったのに対し、8月下旬に発生したノロノロ台風10号による長雨が成熟期のブドウを直撃、また9月中旬まで猛暑が続いたため、全体として糖度の伸びが抑えられた年でした。しかし標高の際立って高いグルペット農園では状況が異なり、秋口の高温がかえって熟度上昇を促したかのようでした。収穫当日、やや成熟が遅い棚の畑に対して、着果が少なかった垣根では蜜のような香が立ち込め、摘み食いするとその甘さに思わず笑みがこぼれました。そして何と、全部の畑を合わせると過去最高の収穫量を記録。開花期の天候の影響なのか棚畑での着果が例年より多く、その割には(なぜか)密着にならず裂果が少なかった事が幸いしました。

わずかに緑がかった淡いレモンイエローの外観。やわらかい青草香の中にスターフルーツ様の軽いトロピカルニュアンスが溶け込み、香から味わいへと流れるように移行。硬めの黄桃などストーンフルーツの甘みとピチピチとした酸とが朗らかに伸びゆき、アフターにはゴールデンキウィ様のしっかりめの果実感が余韻します。


各種テリーヌ、白身魚のポワレ、牡蠣や海老フライ、シャルキュトリ、カオマンガイやフォーなどと。

飲用適温10-12℃。無濾過生詰のため滓や酒石が沈殿します。

★「グルペット」は山上氏の農園名。自転車レースで先頭集団から外れた選手たちが、協力して時間内ゴールするためにつくる集団の意。山上氏はワイナリー勤務を経て独立し、ワイン用ブドウ栽培を生業とするフリーのヴィニュロン。
上部へ戻る